第16話「赤い羽のアカハネオンブバッタ」

こんにちは!ヨッしぃです!

今回はオンブバッタのご紹介です。

2020.11.1

①おなじみのオンブバッタ
②ん?何か違うぞ、このオンブバッタ
③このアカハネとは、一体何者?!

①おなじみのオンブバッタ

オンブバッタ、といえばみなさんも馴染みがあるのではないでしょうか。

細長い緑色のバッタで、大きいバッタが小さいバッタをオンブしているバッタですね。もちろんいつもオンブしているわけではないですが(^o^;

上の小さい方がオス、下の大きい方がメスです。

都市部でも公園や植え込み、花壇や庭など、いろいろなところに生息しています。皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

②ん?何か違うぞ、このオンブバッタ

しかーし!

今日ご紹介するオンブバッタは少し違うんです。

何が違うかというと、種類が違うんです。昔からよく見かけていたオンブバッタではなく、「アカハネオンブバッタ」(以下アカハネ)という種類なんです。

外見はよく見る、いつものオンブバッタそっくりですが、内側の羽を広げてみると、赤いんです!

内側の薄い羽がピンク色なのが分かると思います。

正確には濃いピンクといったところでしょうか。
いつものオンブバッタは内側の羽が薄い緑色をしています。
これが両者のはっきりした相違点です。

他にも、頭部がオンブバッタよりやや短い、羽の付け根あたりの表皮が薄く半透明の窓状になっている、等の違いがあるんですが、まー、外で見つけて、それをチェックするのは難しいでしょうね。

やはり、ポイントは羽の「」です。

それともう一つの見分け方なんですが、いつものオンブバッタはほとんど飛びません。少しジャンプをする程度で、羽を使って飛翔することはほとんどありません。しかし、このアカハネは人が近づくと、パタパタパタパターと、警戒に飛翔します。しかも、後ろ足でジャンプする前に羽の力でサッと飛び立つ感じです。昔からオンブバッタを知っている人ならとても違和感のある動きに見えると思います。

実際に僕が初めてこのアカハネを知るきっかけになったのが、この違和感のある飛翔力でした。

③このアカハネとは、一体何者?!

外見上はアカハネとオンブバッタの区別がつきません

そうです。外来種なんです。

そして、いつものオンブバッタは在来種なんです。

もう、外来種と聞くと悪い予感しかしないですよね。。。。

アカハネはもともと、沖縄や南西諸島に住んでいたバッタです。それが、2012年頃から大阪湾岸部で見つかり始めました。おそらく、船の荷物などに付いて来た個体が上陸したのだと思います。それから急速に近隣の和歌山、奈良、兵庫などに分布を広げています。ですので、外国から来たというよりかは国内の遠い島からやってきた、といっほうが正確かもしれません。

ま、そもそも国内とか国外とか、ヒトが勝手に決めた縄張りの名前でであって、地球全体で考えれば内も外もないんですけどね(._.)

写真のアカハネ達は兵庫県神戸市の西部、海からは10数キロ離れた河川敷です。一体どこからやってきたんでしょうね。。。。

急速な分布拡大はアカハネの繁殖力がとても強い事が要因と考えられていましたが、9月頃から成虫が現れて、11月末にはいなくなるという、在来種のオンブバッタとほぼ変わらないライフサイクルなので特別繁殖能力が高いということもなさそうです。ただ、飛翔力の強さが段違いなのでそれだけでも分布を広げる理由になりそうですね。また、在来種のオンブバッタのメスよりも、アカハネのメスの方が繁殖活動が盛んだという調査結果もあるようです。

ただ、アカハネの生態系に及ぼす影響はまだ未確認で、肉食外来生物のように、在来種を食べ尽くす、なんてことはないので、分布の拡大に気が付かない可能性がありますね。ましてや外見がそっくり!誰がわざわざ羽をめくって確認するか、という話です。

ちなみに、画像のアカハネ達がいた河川敷は僕の見つけた限りでは100%このアカハネだけでした。在来種はどこへ行ったんでしょうか。ちょっと気になりますね。。。。

皆さんも、もしオンブバッタを見つけたなら、一度羽の色を確認してみてください!

もしかすると、関西以外の地域にも進出しているかもしれません。

これから一体どうなってゆくんでしょう。。。。

というわけで、今回はアカハネオンブバッタをご紹介しました。

では皆さん、またお会いしましょう!

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