第5話「さらばクマゼミ」

こんにちは!ヨッしぃです!

今回ご紹介するのはクマゼミです。
と、いうより、クマゼミとの儚い出会いと別れのショートストーリーですね。

2021.9.15

①出会いと別れ
②クマゼミとは
③セミの寿命

①出会いと別れ

夏の朝、あれだけけたたましく鳴いていたクマゼミたちの声もすっかり聞かなくなり、遠くの方でかすかにツクツクボウシの鳴き声が聞こえ、代わって、コオロギなどの秋の虫たちの合唱が日に日に大きくなってきた頃のある晴れた午前中。

ふと、歩道脇の溝に目をやると、一匹のクマゼミが。

2020.9.14こんな所にクマゼミが

まだ、いたんだ、クマゼミ。
でもこんなにも低い位置にいるということは、もうかなり弱っているのだろう。

この夏の猛暑の中、頑張って生きてきたんだろうな。

お疲れさま、と心の中で言い残し、その場を離れる。
そして、用を済ませた僕は30分後、また同じ場所を通った。すると、さっきのクマゼミがひっくり返っているではないか!
昆虫がひっくり返るということは、すなわちを意味する。

横たわるクマゼミ。。。

あぁぁ、さっきまでしがみついてたのに。。。。

死の直前だったのか。

そっとセミを拾い上げる。

すると、まだ生きてる!しかも、しっかり僕の指につかまってくる!

まだ指につかまる力はある


どうやらメスのようだ。でも、もう飛ぶ力は残っていない。
最期くらいはせめて木の上で、と、近くにあった木に止まらせてやった。

最期くらいは木の上で

。。。。翌朝。
また、同じ所を通った。無意識に木の下を探した。昨日のクマゼミの死骸を探すために。
が、死骸がない。木の裏、草の影、ひととおり探すが見当たらない。

『もう別の何かに食われたか。。。』


そう思いながら視線を木の上にやると、なんと、昨日のクマゼミがまだ木につかまっているではないか!しかも、昨日放した場所よりさらに1メートル以上も上の方に!

いた!まだ生きてる!


まだそんな力が残ってたとは。
登ってゆく力もそうだけど、24時間生き抜いていたことに感激。昨日ひっくり返っていたところを助けなかったら間違いなく死んでいただろう。

しかも、あんなに上の方に

野生生物を助ける行為には賛否だとは思いますが。それはさておき、セミの成虫寿命は短く2週間程と言われています(1ヶ月程という説もありますが)。そのうちの1日を生き長らえたと言うことは人間の寿命に換算すると、じつに5年も長く生きたことになります(成虫期のみで換算。)

ただ、その翌日にまた同じ場所を通った時には、もうクマゼミの姿はありませんでした。あの状態では自ら飛んで移動するということはできないでしょうから、おそらく力尽きたのだと思います。。。。

そんな、夏の終わりと生き物のいのちの儚さを感じたお話でした。

②クマゼミとは

今回登場した、クマゼミですが、日本に生息するセミ(主に11種類)の中では最も大きな種類で、頭から羽の先までの全長が6〜6.5センチくらいになります。頭(昆虫では胸部)が大きく、厚みもあるので、その長さ以上に大きく見えます。
生息地は主に関東より西側の太平洋側で、いろいろな木に集まります。

鳴き声は耳をつんざく程の大きな声で「シャーシャーシャー」と、特に朝からお昼までの時間帯によく鳴きます。だいたい集団で鳴いていることが多いので「ジャンジャンジャン!」と聞こえ、それはそれはもう、騒音問題に発展するレベルです(笑)
子供の頃ちょうどこれが夏休み期間中だったので、この声を聞くと「あ〜、夏休み〜(※TUBEではない)」としみじみ思ったものです。

僕の住む地域では以前よりクマゼミがたくさんいたので特に珍しいとは思わなかったんですが、関東の方に行くとクマゼミがいないんですね。大人になってから知りました。代わりに、ミンミンゼミがたくさんいます。

「ミーン、ミンミンミンミンミー」

と、鳴く、あのセミですね。セミの鳴き声と言えば、コレ!というくらいの代名詞。

関西ではミンミンゼミといえば都会から少し離れた山の方にいるイメージなので、捕まえたりするとかなり嬉しかった記憶があります。なのに、数年前、東京の水道橋というところに行った時、普通に街路樹にミンミンゼミゼミが大量にいた事にビックリしました。しかも、手づかみで捕れるし(笑)

西のクマゼミ、東のミンミンゼミ、といったところでしょうか。
しかし、近年、気候の変化からか、クマゼミがどんどん関東にも進出してます。クマゼミは繁殖力が強く、電線にも卵を生むことがあります。その卵が孵化して下の植え込みに落ち、そのまま地中に潜り込み数年後成虫に。そりゃ、都会でも増えるわけですね。

③セミの寿命

あと、先程、セミの成虫寿命は2週間程と、書きましたが、昔はもっと短く、1週間で死ぬ、と教わった記憶があります。皆さんもそのような記憶があるのではないでしょうか。
セミの成虫は飼育が難しく、すぐに死んでしまうために生まれた諸説だと言われています。

2019年に広島県の高校生があるセミの羽に印をつけて、再び捕まえると言う方法で、最長でアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間生きていたのを確認したそうです。
幼虫の時期は土の中で過ごし、その期間は2〜6年といわれていますが、これもアバウトです。種や環境によっても変わるようですが、いずれにせよ、意外と研究が進んでないんです。こんなに身近な昆虫なのに。

そんなセミたちも9月を過ぎると全くいなくなり、本当の夏の終わりを感じますね。。。

というわけで、今回はクマゼミをご紹介しました!

またお会いしましょう!

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