第62話「エダナナフシを飼育してみた」
皆さん、こんにちは!ヨッしぃです!
今回はエダナナフシの飼育をご紹介します。
-2021.5.2-
近所の山際の歩道の手すりの上で子供がナナフシの赤ちゃんを見つけました。
が、このへんでよく見かけるナナフシモドキ(第30話「ナナフシ不思議③~ナナフシモドキの赤ちゃんを見つけた~、第33話「ナナフシ不思議④」~ナナフシモドキの飼育~)とは少し形が違うように思える。
まあ、思うも何も、触覚がとても長い。この時点でもうナナフシモドキではないのは確実。
そう、ナナフシモドキの触覚は長くないんです。もっともっと短いんです。
では、なんていうナナフシなんだ?
もう、これは飼育してみるしかない!
ナナフシ用(専用では無い)の縦長水槽に入ってもらい飼育開始。
とりあえず餌は葉っぱです。
一般的にナナフシはサクラやクヌギの葉を食べることが多いので、与えてみます。
んー、まだ小さいからか、食べた痕跡が見つけにくい。
それとも口に合わず食べていないのか?
それに、餌も食べず動かず擬態のポーズでジッとしていることが多い。
-2021.5.6-
4日後。
なんか体が大きく(伸びてる)なってる!
水槽の蓋の裏側には脱皮殻を確認。
どうやら、ちゃんと餌も食べて成長している様子。
よかった~
比較的簡単に山や公園で入手できるクヌギ、コナラ、サクラ、ヤマモモ、クズを入れてみたんですが、結局ヤマモモの葉が一番食いつきが良かったです。
ちなみに、以前飼育していたナナフシモドキはクズの葉もよく食べてました。
さらにヤマモモの枝は切ってすぐに水につけておくと長ければ4〜5日は持ちます(1日で元気がなくなる枝も有りますが)。
そして、いつの間にか脱皮をし、あれ?昨日より大きくなってない?みたいなのを4回くらいかな、繰り返しました。
-2021.7.1-
もうかなり大きくなりました。どうやらエダナナフシのようです。
エダナナフシはメスの方が大きく、沖縄地方を除く日本の昆虫界では最大(最長)で、本州、四国、九州など日本全国広い範囲に渡って生息しています。
しかし、もう成虫と思われるこのエダナナフシはなんか、小さいんです。
そうです、性別がオスだったんです。
オスはメスに比べて一回り小さいんですねー。
そのうち立派な、長い♀のナナフシになるんだろうと思っていたのでちょっと肩透かしを食らった感じですが、特にオスは緑の体に鮮やかな赤色が入ります。
これがとてもきれいなんです!
ナナフシといえば緑か、茶色、というのが定番の中、この赤は反則ですね(笑)
美しい!!
しかし、死んでしまうと変色し、それこそ枯れ枝そのものになってしまうので見るのは生きている今のうちだけです。
ちなみにメスのエダナナフシはこの大きさです!
種類によってはオスが存在しない、またはごく少数、というナナフシが多い中、このエダナナフシはオスとメスが存在します。
ようは、まあ、普通の昆虫と同じです。
僕の住む地域でよく見られるナナフシは、ナナフシモドキという種類です。
ナナフシモドキはオスが存在せず、メスのみで卵を産む単為生殖という繁殖方法で子孫を残します。
なので、メス1匹だけで飼育していても卵を産んでくれるんですが、このエダナナフシはオスとメスが必要です。
このあたりではエダナナフシはあまり見かけないのでメスを捕獲できる自信がありません。
なので
もう選択肢はひとつ。
放す、です。
-2021.7.4-
捕まえた場所で放すことにしました。
これまで狭いケースの中に閉じ込めていてごめんよ、という思いと、これまで天敵に食べられずに成虫になれて良かったでしょ!、というニつの思い。
demo
でも実際、彼(もちろんエダナナフシくん)にとってどちらが良かったのだろう、と、考えながら、ついにお別れの時が。
ちょうど良い葉の茂みがあったのでそこへ放しました。
少し雨が降っていたので大きめの葉の裏にとまり、雨宿りしている様子。
これで、いつも新鮮な枝を用意しなくて済む。でも、ちょっとさびしい。
相手が昆虫でも、別れはツラいもんですね。
ちょっと、大げさですか?
うまくメスを見つけてペアになっておくれ!
そして、来年もまた会おう!
〈エダナナフシ〉
大きさ:メス80~112ミリ、オス65~82ミリ
分布:本州、四国、九州
エサ:クヌギ、コナラなどの広葉樹(飼育下ではヤマモモの葉も)
見られる時期:成虫は7~9月、幼虫は5月頃から見られる。
見られる場所:里山の林縁、クヌギやコナラ広葉樹上または幹。
その他:単為生殖するナナフシが多い中、オスとメスが存在する。人の目線より高い位置にいることが多い。
というわけで、今回は枝ナナフシの飼育をご紹介しました。
ではみなさん、またお会いしましょう!