第33話「ナナフシ不思議④」~ナナフシモドキの飼育~

こんにちは!ヨッしぃです!

今回は、「ナナフシ不思議」シリーズ第④弾、ナナフシモドキ(以下ナナフシ)の飼育についてご紹介したいと思います。

第19話「ナナフシ不思議①〜ナナフシとは〜」、第20話「ナナフシ不思議②〜ニホントビナナフシ〜」、第30話「ナナフシ不思議③~ナナフシモドキの赤ちゃんを見つけた~」も、ご覧ください。

①ナナフシの飼育ケースは縦にする
②床材は入れない
③ナナシの脱皮
④ナナフシの餌と殺虫剤
⑤園芸店のハイビスカスで大失敗

①ナナフシの飼育ケースは縦にする

まず、最初に、飼育ケースですが、ナナフシという昆虫は「縦の動き」を好みます。
自然界でも木に登ったり、降りたり、という感じです。
そのようなことから、飼育ケースは縦長の物を使います。でも普通の飼育水槽などはだいたい横長ですよね。
縦長の水槽も売ってはいますが数が少ないので、普通の水槽ならば縦にして使います。
できれば30センチ以上の高さが欲しいところですね。高ければ高いほど、広ければ広いほど良いと思います。

②床材は入れない

いろいろな生き物をケースで飼育する際、土や砂、木片、落ち葉などを床材として入れることがあるかと思います。
しかし、ナナフシの飼育の際は床材不要です。
理由としては、必要がないから(笑)
ナナフシは基本的には樹上性で、地面を歩くということがないからです。まぁ、歩くとすれば、木の上から落っこちた時くらいでしょうか。
ケースの中でも床を歩くことはありません。むしろ、木や枝等の足場になるものを入れてやった方がいいと思います。

もう一つの理由として、採卵のしやすさ、があります。
ナナフシはメスだけで卵を産むという、単為生殖という方法で繁殖するんですが、成虫になったナナフシは、種子のような黒っぽいゴマ粒ほどの卵を毎日のように産みます。それも地面にばらまくように産み落としていきます。
その卵を集めるときに、土や砂を敷いているととても見づらく、分かりにくいんです。

ただ、より自然に近い環境で飼育したい、採卵はしない、といった飼育をするのなら床材はあってもよいと思います。適度な湿度も得られますので。

③ナナフシの脱皮

ナナフシは脱皮の際、上から下に向かってぶら下がります。成虫になるまで5~6回の脱皮を繰り返すんですが、ナナフシの体はとても長いので、もし底についてしまうとうまく脱皮できずに、命を落としことにもなりかねません。ただでさえ、昆虫の脱皮は命がけですので。
なので脱皮時のスペースを確保するという意味でも、なるべく高さのあるケースで飼育してください。
あと、餌の葉や、足場の枝も、ケースにギュウギュウ詰めにしないようにします。

そして、これが脱皮の瞬間です!

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このように、上から下の方に向かってぶら下がり、下へ、下へと脱皮します。

上の画像は飼育ケースの透明度が悪いのと、撮影機器が昔のスマホであったため画質があまり良くなくて、少し伝わりにくいかも知れませんが、ナナフシの脱皮はとても神秘的です!
チャンスがあれば皆さんもぜひ見てほしいと思います!

④ナナフシの餌と殺虫剤

ナナフシの餌は新鮮な植物の葉です。
一輪挿しのような容器に草や、木をさしておくと餌になります。
その際、産み落とされた卵が落ちないように容器の口の部分にキッチンペーパーなどを詰めておくことも忘れないようにしてください。

今回ご紹介しているナナフシモドキはけっこういろいろな葉を食べる、多食性なのでいろいろな葉を与えてみるのも面白いかも知れませんが、僕の経験上、ナナフシが食べる葉で比較的身近な上に、コンスタントに手に入れられ、長持ちする植物として、まずはヤマモモの葉があります。
数年前に、試しにヤマモモを与えてみたらよく食べたので、それからはだいたいいつもこれを入れてたんですが、その後、とある昆虫館でも展示のナナフシモドキにヤマモモを与えていたのを見たことがあるので、間違ってはなかったんだと思っています。

ヤマモモは身近な山や、公園でも手に入れられ、常緑樹、さらに、挿し木にしても3日くらいは持ちます。
ヤマモモの葉は固くて食べにくいのでは?と、人間感覚で思ってしまうんですがこれがけっこう美味しそうに食べるんです!
かと言って、ヤマモモの木でナナフシを見つけたことはないんですが。。。。?

僕はよく、公園の木をちょっとだけ失敬して。。。。(汗)

あ、でも公園の木はなるべく取らないほうがいいかもしれません!

『そう、公園の木だから勝手に折ったりしたら。。。。』

というのも理由の一つですが、もう一つ最大の理由として、殺虫剤です!

春先に毛虫が大量発生する公園などでは殺虫剤を散布している可能性があります。ナナフシももちろん昆虫なので、殺虫剤は致命傷になります。
もし公園の木を取る、という場合は他の草食昆虫がその木にいるかどうか確かめられれば確実です。特にその木に毛虫がいるようなら殺虫剤は散布されていないはずです。
これはヤマモモに限ったことではないんですが。。。。

あとは、コナラクヌギの葉も好んで食べます。こちらもヤマモモと同様に枝先を適当なサイズに切り落とします。

そして、もうひとつ、クズの葉も食べますね。

夏におなじみのクズの葉です。


クズの葉は夏になると道路脇や空き地、いろんなところで大繁殖します。皆さんも見たことのあるおなじみの植物だと思いますが、実際、自然下でナナフシがクズの葉を食べているのを見たこともあります。なので、僕はこれもよく与えています。

クズの葉は、葉っぱの枝分かれした部分からポキッと取れますので、取ったらなるべく早く水につけてください。クズの葉はあまり日持ちしませんので。でも、中には長く持つ葉っぱもあるんです。なぜでしょうね。。。。

すべて餌に言えることなんですが、葉っぱの部分だけを切って与えるのはNGです!枝に付いている葉っぱなら枝ごと、根っこが付いている草ならできれば根っこごと水につけるのがポイントです。クズの葉の場合は葉の下の茎をポキっと折り、ようするに少しでも新鮮で長持ちする方法で与える、ということですね。

⑤園芸店のハイビスカスで大失敗

そうそう、昔、初めてナナフシを飼育した時のこと。
インターネットの情報から、ナナフシはハイビスカスの葉を食べるということを知り、ホームセンターにハイビスカスの鉢植えを買いに行ったことがあります。鉢植えなら新鮮な葉を与えられると思ったからです。(今思えば、こんなことしてたらお金がいくらあっても足りない!)

当時、やっとこさ見つけたナナフシ、子供の頃から憧れていたナナフシ、だったので、それはそれはもう、ナナフシ様!だったんです(笑)

これは失敗の教訓から一か月程放置したハイビスカスですが、やはり安全面からあまりおすすめいたしません。
コストもかかりますので。。。。



現に、ナナフシはハイビスカスの葉を好んで食べます。元々フヨウ科の植物を好むんですが、ハイビスカスもフヨウの仲間なんです。
そしてすごい勢いで葉を食べ、喜んでいた矢先、飼育していた数匹のナナフシが次の日、全部死んでしまったんです。
原因はハイビスカスに散布されていた殺虫剤でした。やはり売り物の植物だけあって、虫に食われると商品にならないですからね。もちろん、ナナフシは昆虫なので一撃だったんだと思います。

さて、2020年の春に捕まえたナナフシの赤ちゃん「第30話「ナナフシ不思議③~ナナフシモドキの赤ちゃんを見つけた~」ですが、無事に成長し、その夏にはこんなにも大きく、立派になりました!

こんなに小さかったのに

                             ↓↓↓↓↓↓↓↓↓

こんなにも立派に!


でも、形は赤ちゃんの時とあまり変わってませんね^^;

というわけで、今回はナナフシ(ナナフシモドキ)の飼育についてご紹介いたしました。

次回は、ナナフシを捕まえ方、をご紹介いたしますのでお楽しみに!

では皆さん、またお会いしましょう!

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