第4話「モクズガニ、あらわる!」
こんにちは!ヨッしぃです!
今回ご紹介する生き物は、モクズガニというカニです!
前回がミズカマキリ(第3話「ミズカマキリはカマキリではありません!」)、前々回がタガメ(第2話「まさかまさかの、タガメ!!」)と、昆虫だったので、次も昆虫かと思いきや、いきなりカニ、来ました(・∀・)
まぁ、水辺つながりということで。。。。
とはいえ正直、カニはあまり詳しくありませんです。。。(泣)
しかも僕の行動範囲ではあまり出会う機会もありません。なのになぜ、今回、カニなのか。
そう、それは出会ったからです!
ここから少しお話にお付き合いください。
①出会いは突然やってきた!
②い、いない!!
③モクズガニとは
①出会いは突然やってきた!
2020年9月末、朝から夕方まで雨が降り続く日があった。台風12号?の影響だったかな。朝、駅までの道のりを歩いていると、横の公園の、一段高くなっている花壇からなにやら黒い、丸い(実際はそんなに丸くはなかった)物体が勢いよく転がり落ちた来た。
「なんだなんだ!?」
思わず足を止め、身構える。
最初、ネズミ?にも見えたその物体が、モクズガニだと判別できるのに時間はかからなかった。その瞬間、僕の体は反射的に捕獲動作に移っていた。とっさに傘でカニの行く手を阻みながら甲羅をつかみにかかる、カニもやたらデカいハサミを懸命に振り上げ応戦、このハサミに挟まれたら絶対痛い!ので、カニのバックを取ろうとするも、カニもうまく回り込みながら逃げる、右から攻めれば左に、左から攻めれば右にかわされ、そしてスキあらば逃げ出そうとするカニをさらに傘でガード。。。。格闘すること約1分。
ようやく、確保!
したものの、さてさて、コイツをどうするか。。。
普通ならそのまま逃がすところかもしれないが(普通の人なら捕まえない?)生き物好きの僕としては、
『ここでこのまま逃がすのはもったいない!』
ということで、持ち合わせていたジッパー袋に入れ、そのまま出社。
②い、いない!!
そして、お昼休み。
「カニは元気カニ?」((;´д`)トホホ)
と、ロッカーに入れたリュックサックの中からジッパー袋を取り出す。
「!!!」
「いない!いない!いなーぁぁい!!(ばぁ)」
よく見れば、ジッパーの口が少し開いてるではあーりませんか!
これはマズイ。こんなのが逃げ出して会社の中で走り回った日にゃあ、大ごとだ!ゴキブリどころの騒ぎではない!
急がねば。
でもロッカーの扉は閉まっていた。ということは、まだヤツはこのロッカーの中だ。靴やら書類やらを慎重に取り出しながら捜索。暑い更衣室の中、汗がにじむ。
その時、
ガサッ。
わずかな音を聞き逃さなかった。
いる!ヤツが近くにいる!
また、ガササ。
「。。。。」
リュックの中だ。さらに慎重に、リュックの中の荷物を取り出しながら捜索。
なんだろう、この緊張感。まるで追い詰めたエイリアンを仕留めにかかるような、いや、確かに見た目はエイリアンっぽくないこともない。など、考えた瞬間、
「でた!!」
突然ヤツが這い出てきた!朝の路上での格闘の時と同じスピードで!
「うわあ!」
ちょっと情けないような声を出しながら、近くにあった書類や靴で行く手を阻み、今度は素早くバックを取る。
確保!
よかった。。。。
少しカニも疲れていたのか、朝よりたやすく捕獲成功。幸運にもこれだけの騒動にもかかわらず、誰にも目撃されることもなく。
「ツカレタ。モウカエリタイ。」
とりあえず、無事に家まで持ち帰ることができたので、しばらく飼育してみることにしました。時期が来れば、また川に逃がしに行こうと思います。
③モクズガニとは
で、この、モクズガニというカニなのですが、地方によって呼び名が違います。関東ではモクズガニ、関西ではツガニ、と呼ばれ、他にもズガニ、ケガニ、カワガニ、ヤマタロウガニ、などとも呼ばれ、これらの名前を聞くと、あー、あのカニか、とピンと来る方もいるかもしれません。
モクズガニは見た目からも分かる通り(この記事の写真は見にくいですね)一番大きな、前のハサミに藻のような細い毛が生えています。ようするに、これが藻くずのようにみえるのでモクズガニなんですね。モズクガニ、は間違いです。
大きさは甲羅の幅が10センチを超えるような個体もあり、日本の淡水ガ二の中では最大種で、メスよりオスの方が大きくなりハサミも毛も、立派になります。
僕の捕まえたカニは甲羅幅が5センチ弱なのでまだまだ大きくなるということでしょうか。これでもかなりデカいと感じましたが(*_*)
そして、このハサミ、見るからに強そうですが、実際強いんです!挟まれたことはまだないですが、皮膚を引きちぎられるとか。。。。
ちなみに、皆さんも耳にしたことがあろう中国の高級食材、上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)は、このモクズガニと同属異種になり、よく似ています。しかし上海ガニは、日本の生態系に影響を及ぼす危険性から、特定外来生物に指定されており、生きたままでの輸入は禁止されています。。ちなみに僕の、九州に住む友人いわく、川の堤防沿いで結構見かけるそうです。しかも、九州ではモクズガニを食する習慣があるらしいです。
モクズガニは海で生まれます。そして川をさかのぼり、その川で育ち、また産卵のために海へ下ります。一度産卵のために海へ下った親ガニは二度と川に戻ることはなく、そこで寿命を迎えます。
モクズガニの寿命は2~3年と言われており、タニシや死んだ魚、コケや落ち葉などを食べる雑食性です。
モクズガニを探すには、比較的川幅の狭い川の岸際の草をかき分けたり石などを動かしながら探り歩きます。生息域は河口域から山奥の渓流域まで広く分布し、生命力も非常に強いので都市部の川にも十分生息している可能性はあります。
しかし夜行性、また近年、開発などにより数が減り、意外とその姿を見たことのない人が多いのではないでしょうか。
今回、僕が見つけたのは川沿いの歩道。しかも川といっても底も側面もガチガチに固められた、大きな溝のような川。実は、歩道を歩いていて見つけたのはこれ2回目なんですが、その2回に共通して言えることは、「雨」。しかも結構な降りの。おそらく増水した川から避難してきたのではないかと思います。
大雨の日、川沿いの道を歩くと突然ヤツが飛び出してくるかもしれません!あ、その際はもちろん、川への警戒を怠らないようにしてください。
そしていつ遭遇してもよいように、常に身構えておいてくださいね(笑)
と、いうわけで、今回はモクズガニについてご紹介させていただきました。
では、またお会いしましょう!